2004年10月20日
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Linuxで動く.NET環境「Mono 1.0」の実力(後編)

Written By: 川俣 晶連絡先

 下記の記事が公開されました。

 ……しまった。書き上げてからかなり時間が経過したので、もう何もかも忘れてしまいました。ここに書き足すべきコメントを何も思い付きません。

思い付かないので、やむなく余談を…… §

 とりあえず、直接記事内容とは関係はありませんが、弊社製品りすと亭およびMagSite1に関しては、Linuxで使いたいというユーザーの要望が大きければ、Monoを使ってのLinux上での動作をサポートしたいと考えています。少なくとも、お客様が望み、そして十分に採算が取れる状況であれば、どのような環境、OS、テクノロジーであろうと、それに対応する価値があると考えています。

 え? おまえLinux嫌いでFreeBSDが好きなんだろうって?

 好き嫌いとお仕事は別です。お客様が満足できれば、それはこちらとしても満足の行ける仕事になります。

 それでも、仕事を好き嫌いでえり好みしているかのように見える状況があるかもしれませんが、それらはおおむね採算性に還元して理解することができます。

 一例として「Javaをやらない」というのはそれが「明らかに採算性に難がある技術である」という評価を下しているためです。たとえば、Run Anywhereを実現するコストは、大抵の人が考えるよりも桁違いに大きいものです。"Write Once, Test Anywhere"というパロディ標語がその本質を一角を的確に言い当てています。

 もちろん、これを踏まえたコスト計算を行った上での発注であれば受ける可能性はありますが、それは絶望的にあり得ない話に見えます。Run Anywhereを前提に開発側の採算が取れるような予算を組んだ場合、発注側の採算が取れない可能性が高いと思われるからです。

 もし、Run Anywhereを求めず、特定環境に固有のプログラムで良ければ、Javaが最善の生産性を発揮するプログラム言語とも言えません。コストダウンを前提に考えた場合、Javaはその点で候補から落ちます。(割高でもJavaで書いてくれ、というのなら喜んで書きますが)

 とまあそういうことですので。

 弊社製品のLinux+Mono対応を「やる」「やらない」はお客様の声1つです。

 発注がなければ作業に着手しない、などというケチなことは言いません。

 買いたいという声が多数上がれば、それで十分です。

 つまり、Monoを試用した結果、その程度の気持ちを持てる好感触は得た、ということですね。あ、原稿の話題に最後につながった (ホッ)。